どうにもならない

どうにもならない人のライフハック

離婚したいと思う人と夫婦としてやっていく方法【2】

夫婦カウンセリングを受けてみよう

《事件》からの一か月は、今思うと、物事を深く考えることができなかった。
ただでさえ忙しかったところに加えて、弁護士に相談に行ったり、以前からの予定で自分の実家に家族で帰省したり、子供が夏休みだったりしたのだ。

Aさんと今後どうするかという重要な問題も、「今はとにかく離婚は無理」と、半日しか考えずに決断した。その一か月の間に、Aさんは自分が相談している弁護士について「その弁護士大丈夫なの? 相談料いくら払ったの?」などと執拗に尋ねてきて自分を激昂させたり、父の日にプレゼントした高さを調節できる安眠枕を「別に要らなかった」と言って自分を激昂させたりしたが、なんとか離婚はせずにやり過ごした。

そんな日々の中でも、「Aさんとの関係をこのままにはしておけない」ということだけは考えついた。そして自分はAさんに、「夫婦カウンセリングを受けよう」と提案したのだ。

二人でカウンセリングに行ったのは、子供達の夏休みが終わる頃だった。
そのカウンセリングルームは臨床心理士の女性が運営していて、夫婦でのカウンセリングにも対応できるとのことだった。場所がAさんの職場から近かったので、もし通うことになっても行きやすいだろうということで選んだ。

事前に相談内容はメールしていたが、改めて夫婦の間に起きた問題をカウンセラーに聞いてもらった。そして「子供のためにも離婚はしたくない。そのために夫婦関係を良くしたいが、どうしたらいいのか」と相談した。

カウンセラーは、まずは自分の話を、次にAさんの話を聞いた。
それまでの自分は、Aさんがどうして約束を破ったのか、何を聞いても《言い訳》としか考えられなかった。だがカウンセラーに対してAさんが語った「Aさんが家庭の中で感じていたこと」を、その時はきちんと受け取ることができた。

カウンセラーが第三者としてAさんの言葉を引き出してくれたことで、事件以来初めて、自分はAさんに対して、被害者ではない立場で向き合えたのだ。