どうにもならない

どうにもならない人のライフハック

ドコモショップで高齢の親がスマホを購入した際に無理矢理契約させられた不要なサービスの料金を全額返金させる方法【死闘編】

この記事は、もしもブログ読者の方のご高齢の親御さんが、同じ被害に遭われた時に参考になればということで、メルマガから転載することにした。

まずは、発端から。

今年の4月の末に、母方の祖母が亡くなった。95歳で、死因は老衰だった。 4/30に火葬と葬儀という日程となり、自分と三姉妹の妹達は、前日の29日の午後に青森の実家に着いた。

夕飯のあと、家族で祖母の話をしていると、母が、ふと思い出したように言った。

ドコモショップスマホを買ったら、必要ないって言ったのに色々サービスをつけられて、すぐ解約したつもりだったのに、料金が引き落とされてしまった。お店に言いに行ったら、『お客様は解約の手続きをしていません』って言われて、返金を頼んだけど断られた」

今年の正月に帰省した時、自分は母にドコモの広告を見せられ、初めてスマートフォンを買う人向けの安いプランがあるみたいだと相談された。 確かに、月額料金がかなり安く設定されていて、これなら今の携帯電話の使用料と あまり変わらないと言うので、「スマホなら動画を送ったりできるし、孫の写真も見やすくなるよ」と、スマホの利点を話した。

母は、「じゃあ、考えてみる」と言っていたのだが、正月明けに早速近くのドコモショップ青森○○店に行き、スマートフォンに機種変更をしたのだ。 それ以来、LINEで孫の写真を送ったり、動画を送ったりと、今までよりも色々なやり取りができるようになり、母がスマホデビューしてくれて良かったと思っていた。まさか、そのことでトラブルに巻き込まれていたとは、思いもしなかった。

詳しく母に話を聞くと、1/6に母は父と二人でドコモショップを訪れたそうだ。そこで母の携帯電話をスマートフォンに機種変更し、さらに父がタブレット端末を購入した。

すると契約の際、ドコモショップの店員が、「映画が観られたり、音楽を聴ける便利なサービスがある」と、様々なサービスを勧めてきたそうなのだ。

父と母は「そういうものは必要ない」と断ったが、店員は「使わないのなら1か月以内に解約すれば料金はかかりません。サービスをつけてくれると助かるんです」と、サービスの申し込みをするよう、何度も頼んできたらしい。あまりのしつこさに母は「すぐ解約していいなら…」と、サービスを申し込むことを了承した、とのことだった。

その後、母はスマートフォンの使い方を教えてもらうために、そのドコモショップが店舗の中で行っている《スマホ教室》に通い始めた。そして、使わないサービスをなるべく早く解約したかったので、1/9にスマホ教室に参加したあと、講師をしていた人に、「契約の時につけられた不要なサービスを全部解約したい」と伝えた。

スマホ教室の講師は、「分かりました。大丈夫です。解約できますよ」と、母に言ったそうだ。しかし、解約の手続きの仕方については、何も案内されなかったらしい。 母は、ドコモショップスマホ教室の先生に「解約したい」と伝え、「分かりました」という返事のあと、特に何も言われなかったので、それで解約ができたものと思い込んでしまった。

そして4月になってから、解約したつもりだったサービスの料金が引き落とされていることに気づいた。その金額は月に約1万円という高額なものだった。 母はすぐにドコモショップに行き、説明を求めたが、「解約の手続きについて案内がなかったのは確かに不親切で申し訳ありませんでした。ですが引き落とされた料金の返金はできません」と言われたそうだ。

その場で手続きしてもらい、サービスの解約はできたが、母は「2月と3月の2か月分、使ってもいないサービスの料金を取られたのは納得できない。うちは年金暮らしなのに…」と、肩を落としていた。

とりあえず、母に契約書や料金の請求書を見せてもらったのだが、それを見て驚いた。請求書に載っていた、母には必要がないと思われるサービスの利用料は、

  •  iコンシェル利用料
  •  スゴ得コンテンツ利用料
  •  クラウド容量オプション利用料
  •  ネットトータルサポート利用料
  • dTV利用料
  • DAZN for dokomo利用料
  • dアニメストア利用料
  • dヒッツ利用料
  • dマガジン利用料
  • dグルメ利用料

と10個もあり、この利用料の合計は4560円だった。これを2か月分、しかもアカウント一つで使えるはずなのに、同じサービスが父のタブレット端末にまでつけられていたのだ。もちろん父も、どのサービスも全く利用していないとのことだった。

両親は60代後半で、アニメも音楽も映画もスポーツも、スマホタブレットで視聴することはない。

ドコモショップに対して、猛烈に腹が立った。

詐欺師のように逮捕されるリスクもなく、給料をもらいながら人を陥れて利益を得る人間が、自分は大嫌いだ(出版業界にも、この手の人間がたまにいる)。この人種は詐欺師より性質が悪いと思う。

何とかして、ドコモショップにサービス料金を返金させたい、と思った。しかし、自分は明日、祖母の葬儀が終わったら、夕方には帰る予定で、新幹線のチケットも予約していた。

それでもどうにか、できることをやることにした。

翌日の朝、叔父の家に集まり、棺の中の祖母に会った。正月に帰省した時、グループホームに会いに行った時よりも、少し小さくなったように感じたが、表情は穏やかで、眠っているようだった。

お経をあげてもらったあと、祖母と一緒に親族一同で火葬場に向かった。そこでもう一度お経をあげてもらい、祖母と最後のお別れをした。

火葬が終わるのを待つ控室で、飲み物や軽食を配るのを手伝ったあと、携帯とメモ紙を手に火葬場のロビーへ向かった。そしてドコモショップ青森○○店に電話をし、これまでの経緯を話して、余計に払わされた料金を返金して欲しいと伝えた。電話に出た女性の店員は、「状況を確認したあと、折り返しお電話を差し上げますので少々お待ちください」と答えた。

しばらくして、Sと名乗るドコモショップの男性店員から、電話がかかってきた。 自分は再度、「母が要らないと言うサービスをしつこく勧めて加入させたこと」、「店舗で開かれているスマホ教室で、講師にサービスを解約したい旨を伝えたのに、手続きの案内がなかったこと」について説明を求め、「そちらの落ち度で余計に払うことになった料金を返金して欲しい」と要求した。

Sは、「不要なサービスをしつこく勧めた」という点について、「契約の手続きをしたスタッフは、現在うちの店舗にいないため、要らないと言ったサービスを勧めたのか、正確な状況は分からない」という。 自分は「60代後半の両親がスマホでアニメを観たいはずがない」と怒り込めて訴えたが、「最初の一か月は無料なので、ぜひ一度利用してもらいたいという気持ちでお勧めしたんだと思いますよ」と、飄々と答えた。

それから、スマホ教室の講師の対応については「手続きのご案内をしなかったことは不親切だと思うので、先生に注意しておきます」と言うだけで、店の側の落ち度とは認めなかった。返金についても「申し訳ありませんが、それはできかねます」と、淡々と言われただけだった。

自分は、少しでも相手にダメージを与えてやりたくて、「じゃあ、この件は消費生活センターに相談させてもらいます」と言ってみた。だがSは、「はあ、どうぞ」と素っ気なく答えた。Sの口調から、消費生活センターに相談したくらいでは、向こうは特に困らないのだと分かった。

控室に戻り、妹達に結果を報告しながら、Sに全く太刀打ちできなかったことが、みじめに思えて仕方なかった。だが、諦めたらそこで試合終了なので、効果はないかもしれないが、消費生活センターに相談はしてみよう、ということになった。

祖母のお骨を拾い、納骨が済んだあと、家に戻る車内から消費生活センターに電話をした。対応してくれたKさんという女性には、ドコモショップの契約書など、スマホを購入した日にもらった書類一式をFAXして欲しいと言われた。そこで、叔父の家での法要の前に、自分と真ん中の妹とで実家に戻り、母から預かった書類を二人で確認しながら、全てFAXした。

そのあと、叔父の家に向かって法要に参加したのだが、食事会の途中で、真ん中の妹が「私もドコモショップに電話をしてみる」と言い出した。彼女は自分と違い、論理的な思考をするタイプで、理詰めで話すことができる人である。食事会で振る舞われたビールを飲みながらドコモショップの壁にスプレー塗料で『金返せ』って書いてやりたい」などと考えていた自分とは、別次元の人間なのだ。

しばらくして戻ってきた妹は、すぐ感情的になる自分には聞き出せなかった情報を得てきてくれた。スマホ教室の講師は、外部から呼んでくるのではなく、ドコモショップ青森○○店のスタッフが、交代で受け持っていたというのだ。

ショップのスタッフが、「サービスを解約したい」と言う客に「分かりました。大丈夫です。解約できますよ」とだけ伝えて、手続きの案内をしないのは、単なる不親切ではなく、《やるべきことをしていない》状態である。

妹は当然、その点を追及したそうだ。しかしSは、スタッフの不手際について謝罪はしたものの、あくまで「返金はできかねます」という答えだったらしい。

食事会が終わり、自分と真ん中の妹は、新幹線でそれぞれの自宅へ帰った。そして翌日、LINEでやり取りしながら、ネットで検索をして、ドコモショップと戦う方法を探していた。

そこで見つけたのが、こちらのブログの記事である。 http://lifeoyakudachi.com/%e6%90%ba%e5%b8%af%e5%a5%91%e7%b4%84%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%96%e3%83%ab-%e8%8b%a6%e6%83%85%e3%81%af%e3%83%89%e3%82%b3%e3%83%a2%e3%81%8a%e5%ae%a2%e6%a7%98%e7%9b%b8%e8%ab%87%e5%ae%a4%e3%82%88%e3%82%8a/

同じように、ご高齢の親御さんがスマホを買って不要なサービスをつけられてしまった、という内容だ。この記事では「ドコモのお客様相談室に電話しても無駄。総務省の電気通信 事業部に報告するのが有効」と書かれている。

しかし、その方法では「報告が集まれば、その事業者に指導が入る」という効果しかないようで、自分達の望む「余計に払わされたお金を返金させる」というところまでは期待できなそうだった。

そうして調べている間に、青森の消費生活センターのKさんから電話があった。

「送った書類の中に、申し込んだサービスをリスト化したものがなかったのですが、 店から受け取っていませんか」と聞かれた。お店からもらった書類は全部送ったと 答えると、「申し込んだサービスは契約者に分かるようにリストとして渡すことになっており、それをしていない点について、こちらから店舗に指導します」とのことだった。

指導してもらうことはできても、こちらも多分、お金を返してはもらえなそうである。自分と妹にとって、「ドコモショップ青森○○店に勝つ条件」は「母に返金させること」なのだ。

なんとか方法はないかと考えていて、自分は一つ、ドコモショップ青森○○店がとても嫌がりそうなことを思いついた。その時点で、返金させることができるかどうかは分からなかったが、「これならきっとダメージを与えられるはず」と思った。

それで自分は翌日、ある企業のホームページの《お問い合わせフォーム》から、長文の質問を送ったのである。

 

※来週更新予定の【決着編】に続きます。