どうにもならない

どうにもならない人のライフハック

団結した仲良しクラスの中ですら落ちこぼれるために必要なたった一つのこと

自分が高校3年生の時のクラスは団結力があり、球技大会や文化祭でみんなで盛り上がるような素敵なクラスだった。いじめや仲間外れもなく、自分のような者でも明るい高校生活を送ることができた。お弁当を食べるグループにも入れてもらえて、学校帰りに友達とカラオケに行ったりと、まるで普通の高校生になれたようで嬉しかった。

文化祭が終わって数日経った頃、クラスの人気者の男子が「打ち上げしようぜ」と言い出して、クラス全員参加でみんなでボーリングをしに行くことになった。自分はボーリングをするのはその時が初めてだった。

人気者の男子が仕切ってくれて、クラスをいくつかのチームに分けて対抗戦をすることになった。ボーリングをしたことがないと正直に話すと、同じチームの男子が投げ方を教えてくれた。その通りに投げたつもりだったが、1投目も2投目もガーター(という言葉をこの時初めて知った)だった。

同じチームの女子達が明るく「ドンマイ!」と言ってくれて、「ごめんごめん」と苦笑いしながら席に戻る。しばらくしてまた投げる順番が回ってきて、今度こそ真っ直ぐに投げたつもりだったが、3投目と4投目もガーターだった。女子達の「ドンマイ」の声のトーンが少し落ちた気がした。

自分は結局、この時に20連続ガーターという奇跡のスコアを叩き出した。7投目あたりからは投げ終わったあと、どんな顔で振り返ってチームのみんなの方に戻ればいいのか分からなかった。9投目を投げる頃には、チームのみんなが自分が投げる時だけ無言になっていた。うちのチームはぶっちぎりの最下位だった。

ボーリングのあと、みんなで焼肉屋に行ったが、何を食べても味がしなかった。その後、親に教えてもらって近所のボーリング場で練習してたまにガーター以外を取ることもできるようになったが、あれ以来クラスメイトからボーリングに誘われることのないまま、卒業の日を迎えた。