どうにもならない

どうにもならない人のライフハック

夫婦カウンセリングを受けてみよう

《事件》からの一か月は、今思うと、物事を深く考えることができなかった。
ただでさえ忙しかったところに加えて、弁護士に相談に行ったり、以前からの予定で自分の実家に家族で帰省したり、子供が夏休みだったりしたのだ。

Yさんと今後どうするかという重要な問題も、「今はとにかく離婚は無理」と、半日しか考えずに決断した。その一か月の間に、Yさんは自分が相談している弁護士について「その弁護士大丈夫なの? 相談料いくら払ったの?」などと執拗に尋ねてきて自分を激昂させたり、父の日にプレゼントした高さを調節できる安眠枕を「別に要らなかった」と言って自分を激昂させたりしたが、なんとか離婚はせずにやり過ごした。

そんな日々の中でも、「Yさんとの関係をこのままにはしておけない」ということだけは考えついた。そして自分はYさんに、「夫婦カウンセリングを受けよう」と提案したのだ。

二人でカウンセリングに行ったのは、子供達の夏休みが終わる頃だった。
そのカウンセリングルームは臨床心理士の女性が運営していて、夫婦でのカウンセリングにも対応できるとのことだった。場所がYさんの職場から近かったので、もし通うことになっても行きやすいだろうということで選んだ。

事前に相談内容はメールしていたが、改めて夫婦の間に起きた問題をカウンセラーに聞いてもらった。そして「子供のためにも離婚はしたくない。そのために夫婦関係を良くしたいが、どうしたらいいのか」と相談した。

カウンセラーは、まずは自分の話を、次にYさんの話を聞いた。
それまでの自分は、Yさんがどうして約束を破ったのか、何を聞いても《言い訳》としか考えられなかった。だがカウンセラーに対してYさんが語った「Yさんが家庭の中で感じていたこと」を、その時はきちんと受け取ることができた。

カウンセラーが第三者としてYさんの言葉を引き出してくれたことで、事件以来初めて、自分はYさんに対して、被害者ではない立場で向き合えたのだ。

ことの起こり

まずは《離婚の危機》を迎えた当時の状況から書いてみる。

2018年の夏、自分達夫婦は結婚17年目で、小学生から中学生の3人の子供がいた。
自分は中学生の子の弁当を作るために朝は5時半に起きるので、夜は23時頃にはベッドに入る。夫のYさんは仕事が忙しいため、平日は深夜の帰宅になることが多く、あまり会話はなかった。
たまにYさんが早く帰っても、Yさんは寝るまで延々スマホのゲームをしており、自分はそんなYさんを軽蔑の目で見ながら、ただ不健康に酒を飲んでいた。

あの頃、自分はストレスでいっぱいの状態だった。

不本意な形で連載を打ち切られ、次の仕事がなかなか決まらなかった。
いじめグループが原因で子供の習いごとの教室を変えたのだが、新しい教室では保護者の負担が格段に大きくなった。

そのストレスのためか、心の病気が重くなり、その病気の症状がまたストレスを生みだした。

小康状態だったうつ病が悪化した。良くないと思いながら、お酒を毎晩飲むのがやめられない。体重は増える一方だし、このままアルコール依存症になったらどうしようと不安で仕方がない。

そしてお酒を飲むとほぼ必ず、摂食障害の症状が出ていた。そのことをうつの治療のために通っていたメンタルクリニックの主治医にも、家族にも友達にも、誰にも言えなかった。

とにかく、毎日やらなきゃいけないことを回すのがやっとだった。

早く仕事が決まるように、営業をかけ続けなければいけない。この期間は色んな所に企画を渡して直しての繰り返しなので、連載中と忙しさは変わらないのにお金は一円ももらえない。
そして家庭の方では日常の家事に加えて、片道30分の子供の習いごとの送り迎えが週に4回。休日にはしょっちゅう大会もある。
子供の習いごとに関しては自分がやらせたくて始めたため、Yさんは協力してくれない。じっとしていることが苦手なYさんは、大会の待ち時間が苦痛だからと行きたがらないため、県外の会場への送り迎えも自分が一人で車を運転して連れて行った。

《事件》が起きたのは、往復4時間かけて県外の大会に子供を連れて行って、帰ってきた日の夜だった。
ここしばらく、Yさんの様子がおかしいのを不審に感じていた。問い詰めたことで、Yさんが自分との間の重大な約束を破っていたことが分かった。

うつ病の自分は、離婚するよりもまず、死にたいと思った。
けれど子供が3人もいるので死ねない。死にたいのに死ねない。

寝室にこもって、ずっと泣いていた。その日は一晩中眠れなかった。
Yさんは明日仕事だからと普通に自分の隣で寝ていて、この人さすがだなと感心するとともに、死んでくれないかなと思った。

匿名で書きたいことがあるのです

しばらく更新せずにいたこのブログだが、匿名で書きたいことがあり、この場を使おうと決めた。
以前自分のプライバシーを暴露する記事を書いた占いサイトの人は、さすがにもうここは見ていないだろう。

匿名で書きたいことというのは、夫婦のことだ。

ieyagi.hatenablog.jp

この記事を読んで、発達障害の知識のある人は、夫のYさんにアスペルガーの傾向があるのではないかと気づいたと思う。
夫のYさん自身は診断を受けたわけではないが、Yさんの親族には自閉症の診断を受けた人が2人いる。そしてYさんの言動は、アスペルガーの特徴に当てはまることが多い。

昨年の夏、自分達夫婦はひそかに離婚の危機を迎えていた。

Yさんとの関係がじわじわと悪化しているところに、深刻な夫婦間のトラブルが起きて、これはもう続けていくのは無理ではないかと考えた。
だが結局、子供達への負担を考えると、離婚を決断することができなかった。自分が一人で仕事をしながら子供を育てることは物理的に難しく、また子供達は父親のYさんと暮らせなくなるのを望んでいないだろう。

離婚したいと思う人と、夫婦としてやっていく。

自分の決めた道を、約一年歩いてきた。その行程で起きたこと、考えたこと、行動したことについて、このブログで書いていきたいと思う。

これまでと違い、重いトーンの話にはなってしまうが、同じように夫婦の危機が起きてしまった人や、なんとなく配偶者と上手くいっていない人、また非定型発達の配偶者を持つ人や当事者の方に、参考にしてもらえたり、共感してもらえたら嬉しい。

《深刻な夫婦間のトラブル》の具体的な内容については、プライバシーの問題でここでは明らかにしないつもりなので、了承いただきたい。

ドコモショップで高齢の親がスマホを購入した際に無理矢理契約させられた不要なサービスの料金を全額返金させる方法【決着編】

ieyagi.hatenablog.jp

(※前回までのあらすじ↑)

 

青森から横浜に戻った翌々日の5/2。

この日も自分は妹の加藤山羊とLINEで情報交換しつつ、ドコモショップ青森○○店から母のお金を取り返す方法を探していた。

自分は昨日、同様の被害にあった人のブログで、「ドコモのお客様相談室に電話しても無駄」ということを知ったのだが、その理由は、ドコモショップを直接運営しているのは、ドコモとは別会社だから」というものだった。

だったら、ドコモショップ青森○○店の運営会社に苦情を言えば、ドコモショップ青森○○店への嫌がらせになるのではないだろうか。

こんなことを考えつく自分の性格の悪さに感謝しつつ、ドコモショップ青森○○店の運営会社を調べた。そこへ妹の加藤山羊から、「総務省の電気通信事業部に電話で相談ができた」と連絡が来た。

詳しい話を聞くと、妹はドコモショップ青森○○店の「客が要らないと言っているサービスをしつこく勧めた」という点が電気通信事業法に違反しているのではないかと考え、その点を電気通信事業部に問い合わせ、確かに違反していると言質を取ることができたのだそうだ。

違反しているのは、電気通信事業法の27条2項2号の「勧誘継続行為の禁止」である。
引用すると長いのでまとめるが、「『必要ありません』などはっきりと契約の意思がないことを示した相手に引き続き契約の勧誘を続けること」は禁止されている行為なのだ。

これは運営会社に報告する上で、とても良い材料になりそうである。わざわざ法律の条項まで調べてくれた妹にお礼を言い、運営会社のホームページのお問い合わせフォームに質問を送ることにした。


「2018年1月6日、68歳の母が御社の運営するドコモショップ青森○○店にてスマートフォンタブレット端末を購入しました。その際、担当したTさんという店員にdアニメストアやdヒッツなどといった高齢者には全く不要なサービスを「使わないから要らない」と断ったのに執拗に勧められ、「1か月以内に解約すればいいから」と強引に契約させられたそうです。その3日後の1/9、母は店舗で行われたスマホ教室に参加したあと、講師の先生(ショップの店員)に「やっぱりサービスを使わないので解約したい」と伝えましたが、解約の手続きの案内は一切なく「分かりました。解約出来ますよ。大丈夫です」とだけ返答され、母はそれで契約が解除できたものと思い込んでしまいました。結果、母は本来なら同一アカウントで使えるはずのサービスをスマートフォンタブレット端末の両方につけられていたため、1万円以上の利用料を支払うことになりました。母から話を聞き、ショップに電話してどういうことか聞こうとしましたが、対応してくれたSさんという方には「担当したTという店員はもういないので詳しい経緯は分からない」と話を打ち切られてしまいました。その後、消費者生活センターと総務省電気通信事業部の消費者保護担当の方に相談し、本人が必要ないと意思表示したサービスを強引に契約させた点が電気通信事業法第27条2項2号の「勧誘継続行為の禁止」に違反していると説明を受けました。御社の企業理念には「高い倫理観を持って公正に行動します」とありますが、法律に違反する行為を行い、被害者の家族からの問い合わせにきちんと説明もしないドコモショップ青森○○店の対応について、どうお考えでしょうか。ご回答をいただければと思います」


↑作家としてわずかながら培ってきた能力を駆使して、1000字以内(お問い合わせフォームの最大文字数)にまとめた嫌味な文章がこちらである。

もちろん実際の文章では、店員の名前等は実名にした。妹の加藤山羊にも、同様の内容を運営会社のお問い合わせフォームに送ってもらった。

そしてこのあと、自分はGWということで夫の実家に帰省するため、荷物を準備したり、お土産を買ったりして、家族で岡山に向かった。
ドコモショップ青森○○店からは、翌日、5/3の午前中に、お問い合わせフォームに記入した自分の携帯番号宛てに電話がきた。

電話をくれたのは店長のYさんという女性で、「昨日、■■(運営会社)の
ホームページの方にお問い合わせをいただいたとのことで」と話を切り
出された。

最初に対応したSという男性店員は、「契約をした店員はもうこの店に
いない」と言っていたが、別の店舗に異動していただけで、きちんと
話を聞き取ることができたそうだ。

そして、店の対応について丁重に謝罪された上で、「不要なサービスの料金を全額返金させていただきます」と、こちらが希望していた対処をしてもらえることになった。
母に連絡すると、「無理だと思っていたのに助かった。ありがとう」と喜ばれ、親孝行ができて嬉しかった。

返金は、ドコモの来月以降の請求料金から差し引く形で、それが不可能なサービスについては母の銀行口座に振り込んでもらうことになった。


ということで、もしもドコモショップで高齢の親御さんが同様の被害(必要ないと断ったのに強引にサービスの契約をさせられた)に遭われた際は、契約してしまったのだからと諦めず、

  • 総務省電気事業通信部にチクる
  • ショップの運営会社にチクる

という方法を試してみて欲しい。

 

追記:この内容をメールマガジンとして配信したところ、読者さんの中に携帯電話のショップで働いておられる方がいて、さらに効果的な方法などを教えていただきました。以下にその返信の内容をまとめさせていただきます。

  • 運営会社だけだとそこがもみ消してしまうので、キャリアのクレーム窓口にも連絡をした方が良い(対応は各キャリアによって異なる)
  • 運営会社である代理店は、コンプライアンス違反が発覚し、キャリアからペナルティを食らうのが怖いため、お金を払ったりするが、一番怖いのはお客様からのクレームではなく、キャリアからのペナルティである。
  • コールセンターにクレームを入れる際は、裁判とか、電気通信事業法に違反している、然るべき処罰をしてほしい、キャリアの担当営業から説明させろ、などのワードを入れると良い。
  • キャリアによっては、電話に出るオペレーターが派遣社員だったりするので、責任者に代わってもらう方が良い。

メルマガ読者のKさん、貴重な情報ありがとうございました。

ドコモショップで高齢の親がスマホを購入した際に無理矢理契約させられた不要なサービスの料金を全額返金させる方法【死闘編】

この記事は、もしもブログ読者の方のご高齢の親御さんが、同じ被害に遭われた時に参考になればということで、メルマガから転載することにした。

まずは、発端から。

今年の4月の末に、母方の祖母が亡くなった。95歳で、死因は老衰だった。 4/30に火葬と葬儀という日程となり、自分と妹達(自分には妹が二人いて、真ん中の妹が漫画家で、コンビを組んで仕事をしている)は、前日の29日の午後に青森の実家に着いた。

夕飯のあと、家族で祖母の話をしていると、母が、ふと思い出したように言った。

ドコモショップスマホを買ったら、必要ないって言ったのに色々サービスをつけられて、すぐ解約したつもりだったのに、料金が引き落とされてしまった。お店に言いに行ったら、『お客様は解約の手続きをしていません』って言われて、返金を頼んだけど断られた」

今年の正月に帰省した時、自分は母にドコモの広告を見せられ、初めてスマートフォンを買う人向けの安いプランがあるみたいだと相談された。 確かに、月額料金がかなり安く設定されていて、これなら今の携帯電話の使用料と あまり変わらないと言うので、「スマホなら動画を送ったりできるし、孫の写真も見やすくなるよ」と、スマホの利点を話した。

母は、「じゃあ、考えてみる」と言っていたのだが、正月明けに早速近くのドコモショップ青森○○店に行き、スマートフォンに機種変更をしたのだ。 それ以来、LINEで孫の写真を送ったり、動画を送ったりと、今までよりも色々なやり取りができるようになり、母がスマホデビューしてくれて良かったと思っていた。まさか、そのことでトラブルに巻き込まれていたとは、思いもしなかった。

詳しく母に話を聞くと、1/6に母は父と二人でドコモショップを訪れたそうだ。そこで母の携帯電話をスマートフォンに機種変更し、さらに父がタブレット端末を購入した。

すると契約の際、ドコモショップの店員が、「映画が観られたり、音楽を聴ける便利なサービスがある」と、様々なサービスを勧めてきたそうなのだ。

父と母は「そういうものは必要ない」と断ったが、店員は「使わないのなら1か月以内に解約すれば料金はかかりません。サービスをつけてくれると助かるんです」と、サービスの申し込みをするよう、何度も頼んできたらしい。あまりのしつこさに母は「すぐ解約していいなら…」と、サービスを申し込むことを了承した、とのことだった。

その後、母はスマートフォンの使い方を教えてもらうために、そのドコモショップが店舗の中で行っている《スマホ教室》に通い始めた。そして、使わないサービスをなるべく早く解約したかったので、1/9にスマホ教室に参加したあと、講師をしていた人に、「契約の時につけられた不要なサービスを全部解約したい」と伝えた。

スマホ教室の講師は、「分かりました。大丈夫です。解約できますよ」と、母に言ったそうだ。しかし、解約の手続きの仕方については、何も案内されなかったらしい。 母は、ドコモショップスマホ教室の先生に「解約したい」と伝え、「分かりました」という返事のあと、特に何も言われなかったので、それで解約ができたものと思い込んでしまった。

そして4月になってから、解約したつもりだったサービスの料金が引き落とされていることに気づいた。その金額は月に約1万円という高額なものだった。 母はすぐにドコモショップに行き、説明を求めたが、「解約の手続きについて案内がなかったのは確かに不親切で申し訳ありませんでした。ですが引き落とされた料金の返金はできません」と言われたそうだ。

その場で手続きしてもらい、サービスの解約はできたが、母は「2月と3月の2か月分、使ってもいないサービスの料金を取られたのは納得できない。うちは年金暮らしなのに…」と、肩を落としていた。

とりあえず、母に契約書や料金の請求書を見せてもらったのだが、それを見て驚いた。請求書に載っていた、母には必要がないと思われるサービスの利用料は、

  •  iコンシェル利用料
  •  スゴ得コンテンツ利用料
  •  クラウド容量オプション利用料
  •  ネットトータルサポート利用料
  • dTV利用料
  • DAZN for dokomo利用料
  • dアニメストア利用料
  • dヒッツ利用料
  • dマガジン利用料
  • dグルメ利用料

と10個もあり、この利用料の合計は4560円だった。これを2か月分、しかもアカウント一つで使えるはずなのに、同じサービスが父のタブレット端末にまでつけられていたのだ。もちろん父も、どのサービスも全く利用していないとのことだった。

両親は60代後半で、アニメも音楽も映画もスポーツも、スマホタブレットで視聴することはない。

ドコモショップに対して、猛烈に腹が立った。

詐欺師のように逮捕されるリスクもなく、給料をもらいながら人を陥れて利益を得る人間が、自分は大嫌いだ(出版業界にも、この手の人間がたまにいる)。この人種は詐欺師より性質が悪いと思う。

何とかして、ドコモショップにサービス料金を返金させたい、と思った。しかし、自分は明日、祖母の葬儀が終わったら、夕方には帰る予定で、新幹線のチケットも予約していた。

それでもどうにか、できることをやることにした。

翌日の朝、叔父の家に集まり、棺の中の祖母に会った。正月に帰省した時、グループホームに会いに行った時よりも、少し小さくなったように感じたが、表情は穏やかで、眠っているようだった。

お経をあげてもらったあと、祖母と一緒に親族一同で火葬場に向かった。そこでもう一度お経をあげてもらい、祖母と最後のお別れをした。

火葬が終わるのを待つ控室で、飲み物や軽食を配るのを手伝ったあと、携帯とメモ紙を手に火葬場のロビーへ向かった。そしてドコモショップ青森○○店に電話をし、これまでの経緯を話して、余計に払わされた料金を返金して欲しいと伝えた。電話に出た女性の店員は、「状況を確認したあと、折り返しお電話を差し上げますので少々お待ちください」と答えた。

しばらくして、Sと名乗るドコモショップの男性店員から、電話がかかってきた。 自分は再度、「母が要らないと言うサービスをしつこく勧めて加入させたこと」、「店舗で開かれているスマホ教室で、講師にサービスを解約したい旨を伝えたのに、手続きの案内がなかったこと」について説明を求め、「そちらの落ち度で余計に払うことになった料金を返金して欲しい」と要求した。

Sは、「不要なサービスをしつこく勧めた」という点について、「契約の手続きをしたスタッフは、現在うちの店舗にいないため、要らないと言ったサービスを勧めたのか、正確な状況は分からない」という。 自分は「60代後半の両親がスマホでアニメを観たいはずがない」と怒り込めて訴えたが、「最初の一か月は無料なので、ぜひ一度利用してもらいたいという気持ちでお勧めしたんだと思いますよ」と、飄々と答えた。

それから、スマホ教室の講師の対応については「手続きのご案内をしなかったことは不親切だと思うので、先生に注意しておきます」と言うだけで、店の側の落ち度とは認めなかった。返金についても「申し訳ありませんが、それはできかねます」と、淡々と言われただけだった。

自分は、少しでも相手にダメージを与えてやりたくて、「じゃあ、この件は消費生活センターに相談させてもらいます」と言ってみた。だがSは、「はあ、どうぞ」と素っ気なく答えた。Sの口調から、消費生活センターに相談したくらいでは、向こうは特に困らないのだと分かった。

控室に戻り、妹達に結果を報告しながら、Sに全く太刀打ちできなかったことが、みじめに思えて仕方なかった。だが、諦めたらそこで試合終了なので、効果はないかもしれないが、消費生活センターに相談はしてみよう、ということになった。

祖母のお骨を拾い、納骨が済んだあと、家に戻る車内から消費生活センターに電話をした。対応してくれたKさんという女性には、ドコモショップの契約書など、スマホを購入した日にもらった書類一式をFAXして欲しいと言われた。そこで、叔父の家での法要の前に、自分と真ん中の妹とで実家に戻り、母から預かった書類を二人で確認しながら、全てFAXした。

そのあと、叔父の家に向かって法要に参加したのだが、食事会の途中で、真ん中の妹が「私もドコモショップに電話をしてみる」と言い出した。彼女は自分と違い、論理的な思考をするタイプで、理詰めで話すことができる人である。食事会で振る舞われたビールを飲みながらドコモショップの壁にスプレー塗料で『金返せ』って書いてやりたい」などと考えていた自分とは、別次元の人間なのだ。

しばらくして戻ってきた妹は、すぐ感情的になる自分には聞き出せなかった情報を得てきてくれた。スマホ教室の講師は、外部から呼んでくるのではなく、ドコモショップ青森○○店のスタッフが、交代で受け持っていたというのだ。

ショップのスタッフが、「サービスを解約したい」と言う客に「分かりました。大丈夫です。解約できますよ」とだけ伝えて、手続きの案内をしないのは、単なる不親切ではなく、《やるべきことをしていない》状態である。

妹は当然、その点を追及したそうだ。しかしSは、スタッフの不手際について謝罪はしたものの、あくまで「返金はできかねます」という答えだったらしい。

食事会が終わり、自分と真ん中の妹は、新幹線でそれぞれの自宅へ帰った。そして翌日、LINEでやり取りしながら、ネットで検索をして、ドコモショップと戦う方法を探していた。

そこで見つけたのが、こちらのブログの記事である。 http://lifeoyakudachi.com/%e6%90%ba%e5%b8%af%e5%a5%91%e7%b4%84%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%96%e3%83%ab-%e8%8b%a6%e6%83%85%e3%81%af%e3%83%89%e3%82%b3%e3%83%a2%e3%81%8a%e5%ae%a2%e6%a7%98%e7%9b%b8%e8%ab%87%e5%ae%a4%e3%82%88%e3%82%8a/

同じように、ご高齢の親御さんがスマホを買って不要なサービスをつけられてしまった、という内容だ。この記事では「ドコモのお客様相談室に電話しても無駄。総務省の電気通信 事業部に報告するのが有効」と書かれている。

しかし、その方法では「報告が集まれば、その事業者に指導が入る」という効果しかないようで、自分達の望む「余計に払わされたお金を返金させる」というところまでは期待できなそうだった。

そうして調べている間に、青森の消費生活センターのKさんから電話があった。

「送った書類の中に、申し込んだサービスをリスト化したものがなかったのですが、 店から受け取っていませんか」と聞かれた。お店からもらった書類は全部送ったと 答えると、「申し込んだサービスは契約者に分かるようにリストとして渡すことになっており、それをしていない点について、こちらから店舗に指導します」とのことだった。

指導してもらうことはできても、こちらも多分、お金を返してはもらえなそうである。自分と妹にとって、「ドコモショップ青森○○店に勝つ条件」は「母に返金させること」なのだ。

なんとか方法はないかと考えていて、自分は一つ、ドコモショップ青森○○店がとても嫌がりそうなことを思いついた。その時点で、返金させることができるかどうかは分からなかったが、「これならきっとダメージを与えられるはず」と思った。

それで自分は翌日、ある企業のホームページの《お問い合わせフォーム》から、長文の質問を送ったのである。

 

※来週更新予定の【決着編】に続きます。